「シリーズ《日本語から考える!》――自然な日本語を伝わる外国語へ」は日本語のプロと外国語のプロが力を合わせた画期的なシリーズで、文法だけではわからない日本語との発想の違いを楽しみながら、日本語の自然な表現を外国語にしていく過程を伝授する、というものです。
目的:
文法だけではわからない発想のしくみが身につく
日本語と外国語の考え方の違いがわかる
外国語らしさとは何かが見えてくる
◎こんな日本語を外国語で伝えられますか
「あら、どちらへお出かけですか。」~「ちょっとそこまで。」
倒したんじゃないよ、倒れたんだよ。
わあ、おいしそう。
お茶がはいりましたよ。休憩しましょうか。
『日本語から考える!ドイツ語の表現』は、日本語の表現の考察を山田敏弘氏が担当し、ドイツ語の表現を清野智昭氏が担当しています。清野氏は日本語ができるドイツ語ネイティブ3人と検討してドイツ語らしい例文を作成したとのことです。
この本はこれからドイツ語を学ぼうとする方やまだ習い始めたばかりという方には不向きかもしれません。すでにある程度ドイツ語ができるものの、細かいニュアンスが分からない、または自分が思っているニュアンスをドイツ語で表現できているか自信がない方などに特におすすめしたい1冊です。
この本はドイツ語の勉強になるばかりではなく、日本語の勉強にもなります。今まで無意識に使っていた「~よ」「~んだ」のような一見意味がなさそうで実は発言内容を特徴づける決定的な意味がある語尾のニュアンスに関する説明が興味深いですね。そして、そうしたニュアンスに対応するドイツ語の表現もなるほどと納得できるものでした。
私は約15年ほど日本語にほとんど触れずにドイツ語のみで生活していたことがあるので、頭の中で日本語の世界とドイツ語の世界が独立してそれぞれ存在していて、両者をつなげる作業を数年前から始めたもののまだまだつながっていない部分も多く、この本はその意味で大変役に立ちました。
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