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執筆者の写真Mikako Hayashi-Husel

ドイツ語の作文・スピーチ(C1-2)の構成

更新日:2022年3月1日

前回はゲーテインスティテュートのC1検定試験の書く部門の試験問題に沿ってドイツ語作文の書き方をご紹介しました(ドイツ語作文(C1)の書き方)が、今回は一般的にドイツ語の小論文やスピーチをどのように構成するのか、またその際にどのようなドイツ語の言い回しを使うとよいのかについてお話します。


ドイツ語作文が Einleitung(序論)、Hauptteil(本論)、Schlussteil(結論)の三部構成であることはすでにお話ししましたが、それぞれの部分で具体的にどのような内容を扱うのか、もう少し具体的に見ていきましょう。


Einleitung(序論)

これは話の始まりですので、読み手・聞き手に「こんな話だよ」とテーマを知らせることが重要です。


小論文やスピーチをバス旅行に譬えるならば、読者・聴衆はバス停で待っている乗客で、書き手または話し手であるあなたは彼ら・彼女らを目的地に連れていくバスの運転手です。

そして、「こんな話だよ」という出だしはバスの前方に表示される「~行き」という行先になります。


物語などであれば、行先不明でも、むしろどこに連れて行ってもらえるのか読者・聴衆はワクワクするでしょう。いわゆる4部構成の「起承転結」は典型的な行先不明パターンです。

しかし、情報や所見を提示する小論文やスピーチの場合、どんでん返しの「転」は不要です。


論理的にまっすぐ目的地へ向かうことが期待されていますし、短気な読み手・聞き手であれば、「結論から先に知りたい」と思うこともしばしばです。

このため、いわゆる「サンドウィッチ構造」で先に命題や結論を提示し、本論で根拠を述べ、最後に結論を繰り返すのもお勧めの構成です。


一般的に序論で述べるべきことは、以下の3つです。

  1. Thema klären/abgrenzen テーマをはっきりさせる/扱う範囲を限定する

  2. Begriffe definieren 概念または用語を定義する

  3. Gliederung erläutern 構成を説明する


これらによって読み手・聞き手に興味を持ってもらい、どんな内容が期待できるのかを大まかに知ってもらうようにします。


YouTube動画のようにすぐに別動画に移ってしまうようなうつろいやすい聴衆を相手にしている場合は、「こんな人たちのための動画だよ」「これを見ると、こんなメリットがあるよ」とターゲットを明確に絞ってメリットを提示する必要がありますが、とりあえずここではそのようなマーケティングスピーチは脇に置いて、上述の3項目に焦点を当てます。


それぞれの項目で使えるドイツ語の言い回しの例は以下の通りです。

1) Thema klären/abgrenzen

- Im vorliegenden Beitrag möchte ich das Thema .... abhandeln. Das ist ein Thema/Problem,

  • das erst seit wenigen Jahren aktuell ist

  • das schon lange diskutiert wird

  • mit dem man sich unbedingt beschäftigen sollte

  • das vor allem für (Personenkreis, z.B. junge Leute) von großer Wichtigkeit ist

- In meinem Vortrag

  • geht es um ...

  • befasse ich mich mit der Frage ...

- Es ist allgemein bekannt, dass ...

- Bekannt ist bisher nur, dass ...

- In der Öffentlichkeit herrscht die Meinung, dass ...

- Erst kürzlich stand in der Zeitung, dass ...

- Meine These zum Thema ... ist, dass .... Diese möchte ich im Folgenden eingehend begründen.

- Muss man wirklich ...? Nein, nicht unbedingt. Ich erkläre Ihnen/Euch, warum.(スピーチの場合のみ)


2) Begriffe definieren

- Unter [Begriff] versteht man/verstehe ich ...

- Mit [Begriff] bezeichnet man im Allgemeinen ... Dabei sind A und B zu unterscheiden: A ist ...., während B ...ist.

- [Begriff] ist als .... definiert.


3) Gliederung erläutern

- Zunächst möchte ich Ihnen kurz meine Gliederung vorstellen.

- Zunächst/Zu Beginn möchte ich ... erläutern. Anschließend ... Zum Schluss ...

- Als Erstes möchte ich über ... sprechen. Dann ... /Anschließend ... Am Ende/Zum Schluss werde ich noch kurz auf ... eingehen.

- Ich möchte auf folgende Punkte eingehen: Erstens ..., zweitens ..., drittens ...


こうしたドイツ語の言い回しはあくまでも例ですので、とりあえずの「とっかかり」として参考にしてください。


Hauptteil(本論)

Einleitung(序論)でバス旅行の理由や意義、行先や経路を明らかにした後、いよいよお客様を連れて出発します。

ここで「今私たちはここにいるよ」と現在位置=現状を説明したり、「以前はこうこうで、今はこうなってるんだ」と短い成り行きを教えたりします。

そして、成り行きや問題の原因・理由を挙げたり、「見どころはここ」と示すように、どのファクターが重要で、どのファクターはそれほどでもないのか等の詳論に入っていき、その中で自分の意見・見解を述べたりします。


具体例があるなら、「例えば、こういう話があって、こうこうで最後にはこうなった」と短く結果・末路を話します。


さらに「~すればいいのに」「~するのがいい」等の自分の改善案や、すでに世間の議論で出ている意見を「~という人もいるけど、~と考える人もいる」「Aの意見では~というメリット・デメリットがあって、Bの意見では~」と比較対照し、それに対する自分の意見とその根拠を述べます。


以上をドイツ語でまとめると次のようになります。

  1. Situation beschreiben/vergleichen 状況説明・比較

  2. Entwicklung: früher - heute betrachten 発展:過去と現在の比較

  3. Ursachen/Gründe nennen/gewichten 原因・理由を挙げ、それぞれの重要度の判定をする

  4. die eigene Meinung einbeziehen 自分の意見を織り込む

  5. Folgen aufzeigen 結果を示す

  6. Beispiele anführen 例を挙げる

  7. Lösungsvorschläge unterbreiten 解決策を提示する

  8. pro und kontra argumentieren 賛否両論を述べる


記事の続きは…

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