今回はドイツ語ネイティブでも時に間違う慣用句をご紹介したいと思います。
タイトルに挙げた etwas aufs Tapet bringen の Tapet はその昔重要な交渉テーブルに張られた緑色のテーブルかけを指しています。ラテン語の tapetum がフランス語経由でドイツ語に入ってきたので、アクセントは第2音節にあります(タペート)。
何かをこのタペートの上に持ってくるとは(etwas aufs Tapet bringen)とは、何かを議題に取り上げる、比喩的に話題にすることを意味します。
他には
aufs Tapet kommen 議題・話題になる
auf dem Tapet sein 議題・話題になっている
という表現があります。
das Tapet は実はこれらの慣用句以外では使用されないため、ネイティブでも今一つなじみがないという人が少なくなく、aufs Trapez, aufs Tablett などと言い間違い、「あれ、なにが正しいんだっけ?」と迷い、分からないので使わないという回避行動を取ったりするようです。
実際、現在では auf die Agenda, auf der Agenda という方が多いですね。
なので、das Tapet を正しく使えれば、知性的なエレガンスを漂わせることができると思います(笑)
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