Gewaltの派生語 gewaltbereit, gewalttätig, gewaltsam, gewaltig

最終更新: 2019年12月22日

極右勢力による暴行事件が増加しているため、ドイツの政治は有効対策が求められています。こういう文脈でよく使われる単語が gewaltbereit です。

例えば、Deutche Welle の2019年5月3日の記事の見出しは「Zunehmende Gefahr durch gewaltbereite Rechtsextremisten(暴行罪を犯すことをいとわない極右による危険の増加)」となっています。

gewaltbereit は Gewalt(力、権力、暴力)とbereit(用意がある、準備ができている)から成る複合語で、Dudenの定義は「bereit, Gewalt (2b) anzuwenden, Gewalttaten zu begehen」です。

定義に使われている Gewalttat は Gewalt + Tat で、Dudenは「unter Anwendung von [körperlicher] Gewalt [an jemandem] begangene unrechtmäßige oder kriminelle Tat([身体による]暴力を[誰かに]ふるうことによって犯す不法行為または犯罪行為」と定義しています。刑法で使われる法律用語です。

このことから、gewaltbereit とは、ただ「暴力をふるうことをいとわない」というだけでなく、「暴力的犯罪を犯すことをいとわない」という不法のニュアンスが強いと言えます。

では Gewalttat から派生した gewalttätig はどうかというと、これは単発または散発的に行われる「不法行為」ではなく、「seinen Willen rücksichtslos und mit roher Gewalt durchsetzend(自分の意志を傍若無人に粗暴な力によって押し通す)」という人間の恒常的な性情を描写する形容詞です。

しかし、その名詞形 Ge­walt­tä­ter は「暴行犯」という法律用語となり、gewalttätiger Mensch (暴力的な人間)とはニュアンスが異なるので注意が必要です。

もう一つ gewaltsam という形容詞・副詞がありますが、こちらは人間の性質ではなく、「unter Gewaltanwendung, durch Gewalteinwirkung(暴力の使用することで、暴力の影響によって)」という行為の様相を意味します。

例:

Eine Frau wurde gewaltsam getötet. ある女性が暴力によって殺された

Er hat unseren Tresor gewaltsam geöffnet. 彼は私たちの金庫を力づくで開けた。

後者の例文の gewaltsam は mit Gewalt と言い換えることもできま す。 töten と mit Gewalt は相性が悪く、普通は一緒に使われることはありません。 mit Gewalt は「力づくで」に相当するので、「力づくで殺す」は日本語でも座りが悪いですよね。

最後になりますが、gewaltig という形容詞は暴力ではなく、「力」という意味からの派生語で、「巨大な」が主な意味です。人であれば「影響力の大きい」ことを表し、自然現象に関しては「力強さ」や「力の偉大さ」のニュアンスがあります。副詞的用法では「ものすごく」「非常に」という意味になります。

例:

Die Zahl der Gewalttaten ist gewaltig gestiegen. 暴行犯罪件数が非常に増加した

この場合の gewaltig は enorm と言い換えることもできます。

語彙力を高めるには上のように派生関係や同義語または反義語など関連性のある語をまとめてニュアンスの違いなどを学ぶことが欠かせませんね。😃

参考リンク: duden.de (アドレスをリンクするとなぜか「不正な書式」だと文句を言われて記事を保存できないため、リンクは貼り付けないことにしました)

ちなみに1970年代の学生運動では「内ゲバ」「外ゲバ」などと言う言葉が使われていたようですが、その「ゲバ」はドイツ語のGewaltに由来しています。



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