Redewendungen der Woche 今週のドイツ語慣用句 KW07/2021

最終更新: 2月21日

今週(2021年第7週)にFBのページTwitterまたはNoteでご紹介した「Redewendung des Tages 今日のドイツ語慣用句」をまとめてご紹介します。


1.von Anfang bis Ende vom Anfang bis zum Ende


意味: 初めから終わりまで、最初から最後まで。比喩的に「すべて」。


例文: Das stimmt von Anfang bis Ende nicht.(訳例:それはどこもかしこもおかしい)


Er leitete das Projekt vom Anfang bis zum Ende.(訳例:彼はプロジェクトを最初から最後まで率いた)


解説: 定冠詞のない「von Anfang bis Ende」は字義通りの意味の他に、比喩的に「すべて」「何もかも」を意味し、格言的な響きがあるのに対して、定冠詞付きの「vom Anfang bis zum Ende」は具体的な「最初から最後まで」の意味でのみ使われます。 比喩的な意味でなければ、両者は入れ替え可能です。


2.jemanden/etwas nicht (einmal) mit der Kneifzange anfassen wollen


意味: ~とはかかわり合いになりたくない、遠く避けて通りたい。 字義通りには「~をペンチを使っても触りたくない」


例文: Nicht mal mit der Kneifzange wollte ich das anfassen! Igitt!(訳例:あれは絶対触りたくないね。おえ~!)


Frauen jenseits der 40 will ja keiner mehr mit der Kneifzange anfassen.(訳例:40を超えた女性なんてもう誰も関わり合いになりたくないものでしょう)


解説: この慣用句は、素手で触るのが嫌と言うだけでなく、Kneifzange ペンチを使ってすら触れたくないほどの嫌悪感を表現します。2つ目の例文などずいぶん女性蔑視だと思いますが、実際にネットであった文なのでそのまま引用しました。 wollen は、仮定の非現実性が高い場合は接続法第二式の würden に言い換えられることも多いです。

掴む道具を表す Kneifzange は、他のもので言い換えられることもあります。バリエーションとして可能なのは、Feuerzange, Beißzange, Zange, Kohlenzange です。Zange/Beißzange は一般的な「ペンチ・やっとこ」を意味しますので、使われる頻度はやや高めですが、「Feuerzange 火ばさみ」、「Kohlenzange 石炭ばさみ」はもう道具として使われることがほとんどないので、慣用句としても使用頻度はかなり低くなっています。19世紀あたりの資料にかかわりのある方であれば、こうした表現に出会うこともあるかもしれませんが、それ以外ではまずお目にかかることはないでしょう。 バリエーションの中で一番使用頻度が高いのは Kneifzange とのことですので、これを見出しに採用させていただきました。


3.zum Anfassen


意味: 身近な。 字義通りには「触れるように」


例文: Wir wollen eine Politik zum Anfassen machen, die alle Bürger an den wichtigen Entscheidungen beteiligt.(訳例:私たちは、すべての市民が重要な決定に参加するような身近な政治をします)


Koalas mal zum Anfassen! Wollen Sie Australiens Lieblingstiere hautnah erleben?(訳例:コアラを間近で!オーストラリアの人気アニマル、コアラを身近で体験してみませんか?)


解説: 「zum + 動詞の不定詞の名詞化」は一般的に「~するように」「~したいほど」「~できるくらい」と言ったニュアンスを表します。しかし、中には使用頻度が高く字義通りの意味合いよりも比喩的なニュアンスが強くなることがあり、この「zum Anfassen」もその一例です。 Koalas zum Anfassen では言葉通り「触れる」のか、「触れるほど間近で見られる」のか判断に迷いますが、1番目の例は明らかに比喩表現です。 動物保護の観点からは問題ありですが、いわゆる「アニマルカフェ」を表すのにこの慣用句が使えます。Cafés mit Tieren zum Anfassen 「ふくろうカフェ」であれば、ein Café mit Eulen zum Anfassen という感じです。


4.jemandem etwas angedeihen lassen


意味: ~に~を授ける、与える。 字義通りには「~(のところ)に~が栄え始める(よい影響をもたらす)ようにする」


例文: Er lässt seinen Kindern eine gute Erziehung angedeihen.(訳例:彼は子どもたちによい教育を授ける)


Lassen Sie Ihren Füßen mehr Zuwendung angedeihen!(訳例:あなたの足にもっと優しさをあげましょう!)


解説: この慣用句は、不定詞を伴う lassen 使役構造なので、ドイツ語自体にまだ不慣れの方にはかなり難易度が高いものです。 「雅語 gehoben」に分類されていますが、2つ目の例文に見られるように、お堅い内容や文学的な表現に限られているわけではありません。また、使用頻度も比較的高いです。

angedeihen という動詞が単独で使われることはなく、angedeihen lassen の構造でのみ使用されます。 gedeihen(育つ、栄える)に接頭辞 an- を付けた派生形ですので、本来の意味は「あるところに育ち始める、栄え始める」のようなニュアンスであったと考えられます。 angedeihen lassen の使役形で、「あるものをあるところに育ち・栄え始めるようにする」という意味になり、それが、良い影響をもたらすことの比喩になっていると解釈できます。 これを別のドイツ語単語1語に言い換えると gewähren になります。


5.etwas/die Welt aus den Angeln heben


意味: なにか(世界)を根本的に変える(変革する)。 字義通りには「~を蝶番から外す」


例文: DDR-Massenflucht: Ein Picknick hebt die Welt aus den Angeln.(訳例:東独大量逃亡ーピクニックが世界をひっくり返す)


Dieser Konflikt hat das Potenzial, weitere Staaten in der Region aus den Angeln zu heben.(訳例:この紛争は、その他の近隣国家も転覆する可能性を孕んでいる)


Sie waren zu kühler Objektivität gar nicht in der Lage. Denn hier wurde ja ihr Leben aus den Angeln gehoben.(訳例:彼らは冷静な客観性を保つどころではなかった。なぜならここで彼らの生活が根本から変えられてしまったからだ)


解説: Angel には釣り針の意味もありますが、この慣用句ではドアなどの開閉機構として使われる蝶番やヒンジを指しています。蝶番のようなものに支えられて機能して然るべきものを支持体から外すことは、物事を根本的に変えることに値するという比喩です。 この表現はギリシャの物理学者・数学者である Archimedes アルキメデス(紀元前285~212)に遡ると言われています。彼は「Δός μοι ποῦ στῶ, καὶ τὴν γῆν κινήσω 足場を与えてくれ、そうすれば地球を動かせる(蝶番から外せる)」と言って、てこの原理を説明したのだとか。


6.es sich angelegen sein lassen


意味: ~を心にかける、~するよう心がける、わざわざ~をする。 字義通りには「それを自分の心についている(=関心事・重大事)ものとする」


例文: Wir sollten es uns angelegen sein lassen, stets an das Wohl der Kinder zu denken.(訳例:私たちは常に子供たちの幸福を考えるように心がけるべきです)


Einige Bürger ließen es sich angelegen sein, im Untergrund einen erbitterten Widerstand gegen die Besatzer zu leisten.(訳例:市民の幾人かは、地下活動で占領軍に対して必死の抵抗をすることに心を砕いた)


解説: この慣用句は、雅語・詩語に分類されるもので、日常会話ではまずお目にかかることはありませんが、政治家などの地位のある人のスピーチなどで使われる言い回しです(メルケル首相のスタイルではありませんが、シュタインマイヤー大統領なら使いそうな感じです)。 angelegen は、anliegen の過去分詞で、angelegen sein は状態完了形で「重要である」 という意味ですが、単独でこの意味で使われることは現代ではありません。 本来は、心臓に感情が宿っているという思想の元に、心臓にくっついている(am Herzen liegen)ことは重要な関心事であることを表していました。現代でも das Anliegen / das Herzensanliegen / die Herzensangelegenheit などの言葉にそれが残っています。 「es sich angelegen sein lassen」とはつまり、「それを自分にとって重大な関心事であるとする」という使役の意味から転じて、「あることに心を砕く」という意味になったわけです。 ちなみに日本語の「心がける」や「心を砕く」、漢語の「関心」も、感情と心臓が結びついているイメージに基づいた表現であると言えますね。


7.im Angesicht + Gen.


意味: ~に直面して。~に鑑みて。 字義通りには「~を見る中で」


例文: Im Angesicht des Todes wollte er sein Gewissen erleichtern.(訳例:死に直面して、彼は(懺悔することで)気持ちを楽にしたいと思った)


Im Angesichts der Tatsache, dass Sie unser Ansehen geschädigt haben, schließen wir Sie aus dem Verein aus.(訳例:あなたが我々の評判に傷をつけた事実に鑑みて、あなたを当協会から除籍します)


解説: Angesicht は Gesicht の雅語で、「顔」も意味しますが、本来は sehen(見る)の抽象名詞です。人間の一番見える部分が顔だから、「見ること⇒見える部分⇒顔」という意味の変遷があったと思われます。 雅語とは言うものの、使用頻度はかなり高く、ニュース記事や報道番組、公開討論などでよく登場します。 im Angesicht とという前置詞句の代わりに angesichts という属格支配の前置詞を使うことも多いので、併せて覚えておくといいかもしれません。



以上が今週、FBのページTwitterまたはNoteで毎日1つずつご紹介していった慣用句のまとめと補足です。1日1つずつの方がよいという方は、FBのページTwitterまたはNoteをぜひフォローしてください。

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