Superlativissimus 最最上級

またしてもコロナ関係の記事を書いてしまったので、バランスを取るべくコロナとは一切関係のない話題を取り上げたいと思います。

まあ、今、皆さんの関心事と言えばコロナ関係ばかりなのは理解できますけどね。でも不安な時こそ全然関係のないものに目を向けて気晴らしをするのも大切ではないでしょうか。

というわけで(どういうわけかつながりはあまりありませんが)今回のテーマは「Superlativissimus 最最上級」です。

もちろん、Superlativissimus なんて言葉はありません。これは、Superlativ 最上級にさらにラテン語系の最上級語尾をくっつけた造語です。


人間というのは面白いもので、「ただの」最上級では満足できず、それをさらに昇格させてその特性を強調しようとする傾向があります。また、本来最上級を作れないものにも最上級語尾 -st をつけてなにがしか強調しようとします。

すでに -st がついているドイツ語の最上級にさらに -st をつけることはさすがにありませんが、外来語の最上級だと何か足りない感じがしてしまい、つい -st をつけたくなる人が少なくないようです。

例:

Das Bedürfnis ist enormst. ニーズは極めて極大

Gewinnen ist das Maximalste. 勝つことが最も最大

der perfekteste Moment 最も完全な瞬間

aktuellste Verkehrsinformationen 最も最新の交通情報

optimalste Lösung 最も最善の解決策


最後の optimalste は特にコンピューター関係の宣伝文句に頻繁に使われます。


2011年に福島第一原発事故が起きたとき、あちこちで Super-GAU が使われました。でも、GAU は der größte anzunehmende Unfall(予想される最大の事故)の略で、すでに最上級が含まれています。そこに「スーパー」をつけるのは「最大よりもさらに上」ということになります。でも、GAU と省略されてしまうと最上級の意味が薄れてしまうので、まあ、気持ちは分かります。

ところが Super-GAU をさらに昇格させて、der größte Super-GAU と言った政治家もいたようです。あえて日本語にすれば、「最大の予想されるスーパー最過酷事故」といったところでしょうか。かなりくどいですねwww


余談ですが、IT 業界には GAU をもじった DAU という概念が存在します。der dümmste anzunehmende User(予想される最もバカなユーザー)の略です。「プログラミングの際には DAU を念頭に置くべし」という戒めだったようですが。その結果が現在のタッチスクリーンでアイコンをちょっとタップするだけで大抵のことができてしまうさまざまなプログラムやアプリなのでしょうね。


閑話休題。


論理的に変と言えば、「Am besten ... (最善は~)」と言った後で、「Noch besser ...(さらによいのは~)」と続けることですね。先に言った「Am besten」はなんだったんでしょうか? それより上があるなら最善ではないですよね(笑)

でも、意外とこういう人が少なくないんです。

私の勝手な解釈ですが、「Am besten」は建前の最善で、「Noch besser」が本音なんじゃないかと思います。


私の本音:今、温泉には入れたら一番ベストですね~(笑)




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