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ドイツ語ニュース解説~何としてもオリンピック開催?

コロナ・パンデミックで世界各地でその対応に追われている中、オリンピック2020を予定通りに決行しようとする日本に対して、新型コロナウイルス対応策も含めて批判が高まっています(というとある種の方々から「外国のやつらは黙ってろ」的な罵詈雑言が飛んできそうですが)。


今回は2020年3月18日付のTagesschauの記事「Spiele um jeden Preis?」の一部をご紹介します。


 

日本の新型コロナウイルス感染症例数は(公式発表の)30倍も多い?

(この見出し、びっくりですよね!)

オリンピック開催国である日本もあらゆる手段でオリンピック開催に固執している。日本は現在874人の[新型コロナウイルス]感染者がいるが、ウイルス学者たちは、日本ではほとんど検査が実施されていないため、統計に出ていない感染数(Dunkelziffer)はずっと多いとみている。ちなみに(Zum Vergleich)韓国におけるこの間の1日の検査実施数(pro Tag so viele Menschen getestet)は、日本の検査実施総数(Japan gesamt)に相当する。

「日本は韓国と比較可能です。両国とも中国に近く、交流が密です」とウイルス学者の上昌弘氏は説明する「このため、日本の実際の感染症例数は30倍多いと思います。」


WHO:「検査、検査、検査」

原則的に日本では4日以上風邪の症状または熱がある場合は相談所に連絡することになっている。高齢者または既往症(Vorerkrankungen。病院などではAnamnese)を持つ人は2日後に連絡する。すると相談員が医療施設への引き渡し(Überstellung)が必要かどうか判断(決定、entscheiden)する。そこでコロナウイルスの検査が行われる。世界保健機構(WHO)はそれとは違う手順を推奨している。テドロス・アダノム・ゲブレイェソス事務局長は先日パンデミックは感染者(wer infiziert ist)が明らかである場合(wenn bekannt sei、接続法第1式「引用」)のみ止めることができる(könne nur gestoppt werden、接続法第1式「引用」)と発言し、「検査、検査、検査」と各国に[検査を徹底させるよう]求めた。

安倍晋三首相は土曜日に新型コロナウイルスに関して記者会見(an die Öffentlichkeit gewandt)を行った。ジャーナリストの質問は許可されなかった。首相は「現時点では爆発的な感染拡大には進んでおらず、一定程度、持ちこたえているのではないかというのが専門家の皆さんの評価です。」と希望的観測を強調した(gab sich betont zuversichtlich~自分が希望を持っていることを強調して見せた)。今月中には、1日当たり8,000件まで検査能力が増強できる見込みであることを発表した。



何としてもオリンピック開催?

首相の危機管理―問題意識の欠落か戦略か?安倍首相は意識的にコロナウイルス感染者数を低く抑えているのではないかという批判の声もある。上智大学国際教養学部国際教養学部長教授(Politologe von der Sophia Universität in Tokio 「東京ソフィア大学の政治学者」) 中野晃一氏は言う、「最大の問題は安倍首相がオリンピック開催を手放したがらないことです(sei/wolle - 接続法第1式の「引用」のため、続く直接話法の発言の中に含めて翻訳)。一見すると彼がリーダーシップを取り、措置を講じているかのように見えますが、実際のところ彼は何もしていないので、そのことで(wodurch)感染数が上昇する可能性があります。」

日本の副総理兼財務大臣 麻生太郎氏は今日、日本が新型コロナエピデミックの拡大を阻止できたとしても、選手のいないオリンピックに意味はない(könne/seien接続法第1式の「引用」)こと、また、他国が選手たちを送ることができなければ、オリンピック開催はナンセンスであること(könnten/ergäben 接続法第2式、複数形であるため、接続法第1式が直接法現在と形式的に区別できないので第2式で代用、「引用」)を認めた(räumte ein)。

日本は今や多くの他国同様、ドイツを含むシェンゲン協定全加盟国に対する入国制限措置を講じることになった。入国者に対して14日間の待機要請(in Quarantäne zu gehen)と、待機期間中の公共交通機関の利用自粛要請(keine öffentlichen Verkehrsmittel zu nutzen)が行われる。


オリンピック委員会委員、コロナ感染

この間、日本オリンピック委員会委員からも新型コロナ感染者が出た。四月初頭に東京で開催予定だった(stattfinden sollen)春のセンバツ(Turnmeisterschaften)も中止になった。しかし聖火リレー(Olympia-Fackellauf)は予定通り来週福島を出発するとのこと(soll starten、「予定」とも「伝聞」とも解釈可)。聖火リレールート沿いの見物は控える(zu verzichten)ように要請された(wurden gebeten)。

 

今回は翻訳文中に短い解説を挿入してみました。

文法的には詳細解説が必要なところはないように思いましたがいかがでしょうか。




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