メルケル首相のコロナウイルス対策TV演説全文の文法解説

最終更新: 3月21日

メルケル首相のTV演説全文を翻訳した記事が私の予想を超えるほど拡散され、総閲覧回数が11万回を突破しました。普段の私のブログ記事がせいぜい100回行くか行かないかの閲覧数で、たまにヒットを出しても3桁どまりであることを考えると、本当に桁違いですよね。メルケルさん効果はすさまじい。

とはいえ、当サイトは基本的にクリック数を伸ばしてお金を稼ごうとするサイトではなく(一応クリック数で収入が発生するような広告や書籍紹介で売上高に応じた報酬がもらえる広告は掲載してますが)、ドイツ語を学習している方に役立つ情報を無料で提供し、時々ドイツ語作文の添削指導などの有料サービスを利用していただいたり、有料ダウンロードを購入していただければいいなというスタンスで運営しております。このため、日本語翻訳のみを載せてしまった記事の補足として、ここでは原文の文法的解説をしたいと思います。

メルケル首相はおそらくドイツ国内に多いドイツ語に不自由な移民・難民を意識してスピーチをしたと考えられ、非常に平易な言葉づかいで、複雑な構造もほとんどないため、解説を要するところが実はかなり少ないです。




ここではFBのドイツ語グループのメンバーのご指摘も踏まえて、ドイツ語 B(中級)レベルの方がつまづきそうなところや勘違いしやすいところを取り上げていきます。


1)

Millionen von Ihnen können nicht zur Arbeit, Ihre Kinder können nicht zur Schule oder in die Kita, Theater und Kinos und Geschäfte sind geschlossen

上の文はまず Kita と Theater の間で主文の主語が入れ替わっていることが認識しづらいです。第1の文の主語は Millionen von Ihnen (あなた方のうちの数百万人)で、第2の主文の主語は Ihre Kinder、第3の主文の主語は Theater und Kinos und Geschäfte です。第1・第2の文では動詞が können だけで、不定詞 gehen が省略されています。


2)

Ich wende mich heute auf diesem ungewöhnlichen Weg an Sie

sich wenden an の意味として独和辞典には「問い合わせる」「相談する」「頼る」くらいしか載ってないので、この文は意外と意味を掴みづらいかもしれません。この熟語の原意は「自身の向きを~へ変える」「~へ向かう」で、そこから派生して、自分自身ではなく「自分の言葉を~に向ける・宛てる」という意味になり、その言葉をかける目的によって「問い合わせ、相談」になります。ここでは単に「言葉をかける、話しかける、語りかける」の意味で使われています。


3)

Das gehört zu einer offenen Demokratie: dass wir die politischen Entscheidungen auch transparent machen und erläutern. Dass wir unser Handeln möglichst gut begründen und kommunizieren, damit es nachvollziehbar wird.

これは2つ目の Dass の前でピリオドが打たれているため、全体の構造が見えにくいかもしれませんが、主文は一番最初の Das gehört zu einer offenen Demokratie のみです。Das の内容が「:」の後の2つのdass文で説明されています。

もしこれがスピーチではなく、取扱説明書のようなものだったら、主文を「~には以下が含まれます:」として、具体的な内容を列挙するように翻訳することが多いですが、スピーチでそれをやると日本語の流れが止まってしまうので、ここでは主文全体を主語として、「開かれた民主主義に必要なことは~」としました。この辺りは文法の問題ではなく、テキストタイプに応じた翻訳テクの問題ですが。

最後の damit es nachvollziehbar wird はその直前のdass文の目的を表しているので、これを先に訳出して「理解できるように~根拠を示して、伝達する」と後ろから訳しても、私の訳のように前から「~することで理解を得られるようにする」と訳出することもできます。その辺は訳者のスタイル・好みです。


4)

Seit der Deutschen Einheit, nein, seit dem Zweiten Weltkrieg gab es keine Herausforderung an unser Land mehr, bei der es so sehr auf unser gemeinsames solidarisches Handeln ankommt.

この文で問題になるのは es kommt auf … an の構文のようです。この非人称的表現は「…が問題〈重要〉だ」と独和辞典に記載されています。「unser gemeinsames solidarisches Handeln が重要」というようにここではそのまま翻訳に採用できます。しかし、文脈によっては「~に左右される、~による」とした方が自然ですし、auf の後に人が来る場合は「~にかかっている」とした方が自然な日本語になります。

unser gemeinsames solidarisches Handeln は理解に困ることはないかもしれませんが、少々日本語にしづらい組み合わせです。「私たちの共同の連帯的な行動」とそのまま訳すとスピーチの力が抜けてしまう感じがしませんか(笑)私の「市民による一致団結した行動」はかなり自由な訳です。

ちなみに字面は似ているかもしれませんが、das Handeln は動詞 handeln の「行動する」という意味の名詞化です。この動詞には「商う、商売する」という意味もありますが、その意味での名詞化は der Handel (商売、貿易)です。die Handlung は「行動、行為」や「ストーリー、筋」の他、古くは「商店」の意味がありました。Buchhandlung(書店)にその名残が残っています。das Handeln が「商う、商売すること」の意味で使われることはまずありません。


5)

Aber auch unsere Krankenhäuser wären völlig überfordert, wenn in kürzester Zeit zu viele Patienten eingeliefert würden, die einen schweren Verlauf der Coronainfektion erleiden.

この文では、wären, würden が接続法第二式で「仮定」の話をしていることが認識できれば特に問題はないと思います(もし問題があればコメント欄で質問してください)。


6)

es sind Menschen.

この es は前述の内容(統計数字、お父さん、おじいさん...)を性・数に関係なく受ける代名詞もどきです。続く動詞は述語の数(ここでは複数)に従います(「es」について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください)。「つまりそれは(要するに)~です」と訳せることが多いです。私の「要するに生きた人たちの話です。」というのはわりと柔軟な訳です。「生きている人たち」とした方がよかったかもしれません。いずれにせよ「それは人間です」と言葉通りに訳すとぶち壊しになる部分ですね(笑)


7)

Ich möchte mich bei dieser Gelegenheit zu allererst an alle wenden, die als Ärzte oder Ärztinnen, im Pflegedienst oder in einer sonstigen Funktion in unseren Krankenhäusern und überhaupt im Gesundheitswesen arbeiten.

ここで sich wenden an が再登場しています。私は「~に言葉を贈りたい」としましたが、「~している皆さんにこの機会にまず申し上げたい」とかでも政治家スピーチっぽくてよかったかもしれません。

die 以下に続く羅列は医師を始めとする医療関係者すべてを指しており、überhaupt im Gesundheitswesen で「とにかく医療に従事している人」とまとめて言及してます。具体例を挙げることをはしょった感がなくもないですね。ここでちょっと迷いが生じるのは die als Ärzte oder Ärztinnen, im Pflegedienst oder in einer sonstigen Funktion の部分でしょうか。「医師として介護やその他の機能で病院勤務している」のか「医師として、または介護サービスやその他の機能で病院勤務している(医師以外の)」のか。Ärztinnenの後にコンマがあるので、2つ目の意味、[die als Ärzte oder Ärztinnen arbeiten] + [die im Pflegedienst oder in einer sonstigen Funktion arbeiten]で解釈するのが適切だと思われます。でもたとえコンマがなかったとしても、文脈から「医師」だけが言及されているわけではないことが察せられます。この文は文章としてはあまりきれいではありません。als Ärzte oder Ärztinnen で始めたなら、als Krankenpfleger oder Krankenpflegerinnen oder in einer sonstigen Funktion とする方が並列性のおかげでより分かりやすいすっきりとした文章になります。


8)

Es geht darum, das Virus auf seinem Weg durch Deutschland zu verlangsamen.

非人称的表現 es geht (jemandem) um (Akk.) は「が問題である,大事なのは…である,…がかかっている」で、先述の es kommt auf … an とほぼ同じ意味です。ただ、es kommt auf … an の方は ob を伴って「~かどうかにかかっている、~かどうかによる」という意味になるのに対して、es geht um は ob を伴う場合、「~かどうかが問題だ」というニュアンスになるという違いがあります。上の文では Es kommt darauf an, das Virus … という言いかえが可能です。

auf seinem Weg durch Deutschland は「ドイツを通過する途上で」が原意なのでそのままそれを採用してもよかったのですが、verlangsamen の「速度をゆるめる」と合わせて日本語のそれらしい文章を作るのが難しかったため、「ドイツ国内のウイルス拡散スピード」としました。他に何か良い日本語表現がありましたらご教示ください。


9)

Wir können und werden alles einsetzen, was es braucht, um unseren Unternehmern und Arbeitnehmern durch diese schwere Prüfung zu helfen.

この文は、alles … was の呼応(「~であるところのすべて」)と、es と um を伴う不定詞句の呼応をまず認識する必要があります。「~するために必要とされるものすべて」が einsetzen の目的語です。einsetzen は頻出単語で意味が広いので、主語・目的語や文脈に合わせて「入れる」、「はめ込む」、「投入する」、「(お金を)出す」「(役職に)就ける、任命する」、または再帰用法 sich einsetzen für で「~に尽力する」、「~に肩入れする」などと柔軟に訳します。政策的な文脈では大抵「投入する」「財政出動する」のような意味で使われます。

不定詞句の特に durch diese schwere Prüfung と helfen の関係もつかみづらいかもしれません。日本語では「~を助ける、手伝う」ですが、ドイツ語では helfen は3格支配です。「~に助力する」という訳を念頭に置けば格の齟齬が少なくなるかもしれませんね。助力の対象は Unternehmer と Arbeitnehmer で、この人たちが「durch diese schwere Prüfung」することが助力の目的です。「企業家(経営者)と被雇用者がこの困難な試練を切り抜けることを助ける・支援する」が不定詞句の字義通りの意味です。このままの訳で主文の日本語訳と組み合わせると大分不自然な文になってしまうので、翻訳にはちょっと工夫が必要ですが…


10)

Und lassen Sie mich auch hier Dank aussprechen an Menschen, denen zu selten gedankt wird.

この文の主文は、「~に感謝の言葉を言わせてください」という意味で、「~に」にあたる an Menschen が後続の関係文との距離を縮めるために動詞の後に後置されています。スタイルの違いに過ぎないので、もちろん通常通り an Menschen aussprechen, denen~ということもできます。

denen は複数3格の関係代名詞で、gedankt wird の意味的な主語ですが、1格にならないのはドイツ語の受動態の作り方の規則によるものです。danken や helfen のような3格支配の動詞は受動態にする際に3格目的語を主格にすることができません。 例:

Man hilft mir を受動態にすると、Mir wird geholfen /*Ich werde geholfen

Die Leute danken dir を受動態にすると、Dir wird gedankt /*Du wirst gedankt.

zu selten は非常に日本語にしづらい表現です。字義通りには「過度に(あまりに)稀」ですので、「稀にしか~ない」や「普段は~ない」あたりが妥当かと思います。


11)

buchstäblich den Laden am Laufen halten

この文のbuchstäblich「文字通りに」を正確に理解するには、「den Laden am Laufen halten」が通常は比喩的な「(会社、事業、店、家事などの管理やコーディネートを必要とするもの)を回す」といった意味で使われることを知っている必要があります。ここではスーパーなどで働く人たちが話題となっているため、den Laden は字義通りの「店」の意味だと言っているわけです。


12)

Zu allererst, indem wir ernst nehmen, worum es heute geht. Nicht in Panik verfallen, aber auch nicht einen Moment denken, auf ihn oder sie komme es doch nicht wirklich an.

この2文はどちらも完全な文ではありません。1つ目は主文がありませんし、2つ目は不定詞句だけです。どちらもこの直前の so muss jetzt auch jede und jeder helfen. の方法の説明ですが、並列ではなく、Nicht in Panik~で始まる不定詞句は indem wir ernst nehmenの具体化です。

auf ihn oder sie komme es doch nicht wirklich an は denken の内容で、想像上の誰かの考えのいわば「引用」であるため、接続法第1式 komme が使われています。

先述の es kommt auf … anで、人が後ろに来る場合は「~にかかっている」とした方が自然と書きましたが、doch nicht wirklich「やはり本当には~ない」という否定形と一緒だと日本語としては不自然になるので「~には関係がない」としました。「~にかかっていない」とはあまり言わないですよね。

auf ihn oder sie「彼または彼女には」は、主文がただの不定詞句なのでとらえどころがないですが、denken の主語に「誰かjemand/man」が想定されていて、その人の思考「es kommt doch nicht wirklich auf mich an」の mich の部分を性別が特定されていないために ihn oder sieで言い換えられています。性別を気にしない日本語では単純に「自分には関係ない」で済むのですが。

こうした考えを正すように後で Es kommt auf jeden an.という文が来ます。私はその直前の内容を受けて「一人一人の行動が大切なのです。」と自由に翻訳しましたが、ここの「自分には関係ない」との関連性を明示するために「みんなに関係がある」みたいに訳すのもアリかと思います。


13)

Dies ist eine dynamische Situation, und wir werden in ihr lernfähig bleiben, um jederzeit umdenken und mit anderen Instrumenten reagieren zu können. Auch das werden wir dann erklären.

これの最後の文が簡単ではあるものの、意味がもしかしたらつかみづらいかもしれません。特に das と dann の正確な意味ですね。das は前文すべてではなく、umdenken (考え直し)と mit anderen Instrumenten reagieren(他の手段で対応)を指していると考えるのが唯一論理的でしょう。dann は「その後で」ではなく、「Wenn~dannもし~なら~」の dann です。Wenn wir umdenken und mit anderen Instrumenten reagieren sollten, dann werden wir auch das erklären. がベースにある思考なので、「そうなればそれも」という訳ができるわけです。

もし前文を um を伴う不定詞句の後ろから「~できるように学習能力を維持していく」と訳していたとしたら、この文の訳がもっとややこしくなるでしょう。できなくはないですが、私は基本的に可能な限り原文で言及されている順番通りに、つまり「前から」訳す翻訳スタイルなので私には難しいです(笑)


14)

Dass wir diese Krise überwinden werden, dessen bin ich vollkommen sicher.

この文では dessen が分かりにくいかもしれません。これは先行する dass 文を受ける das の2格であることは皆さんご承知でしょうが、なぜ2格なのか?これは、sicher sein 「確信している」の目的語は2格と決まっているからなんです。通常は sich einer Sache sicher sein で、メルケルさんのスピーチには mir が抜けてしまっているのですが、本来なら dessen bin ich mir vollkommen sicher になります。


15)

Aber wie hoch werden die Opfer sein?

この部分はメルケルさんの言い間違いで、Bundesregierung が YouTube に配信した動画の字幕にあるように本来は Aber wie hoch wird die Opferzahl sein? です。Opferであれば、wie viele werden die Opfer sein とならないといけません。「犠牲者数がどのくらい多くなるのか」と「犠牲者が何人になるのか」の微妙な違いです。日本語では「~数が多い」とも「~が多い」とも言えますが、ドイツ語では Zahl と hoch/niedrig としか組み合わせられません。viele Zahlen というと、ただ「数字が多い」を意味し、何かの数値が高いことを意味しません。Zahl と hoch/niedrig のコンビネーションはネイティブでも意外に難易度が高いらしく、人によってはつい viel/wenig を使ってしまうようです。

メルケルさんのは単に-zahlを言い忘れただけですが。スピーチも終盤になって疲れが出たのかもしれませんね。


16)

Wir müssen, auch wenn wir so etwas noch nie erlebt haben, zeigen, dass wir herzlich und vernünftig handeln und so Leben retten.

この文もコンマで区切られているとはいえ、ドイツ語文に不慣れな方には構造が分かりにくいかもしれませんね。主文は Wir müssen […] zeigen で、その目的語が dass 文です。auch wenn wir so etwas noch nie erlebt haben はそこにひょいと挿入された副文です。もちろん Auch wenn…, müssen wir zeigen, dass としても、… und so Leben retten, auch wenn …とすることも文法的には可能です。最後に持ってくると「たとえ今まで一度もこのようなことを経験したことがなくても」の部分が付け足し程度になり、文頭に持ってくると、その部分が相当強調されることになります。主文の中に挿入されているのは、そこまで強調したいわけではないけれど、付け足し程度でもないことを表しています。


「あまり解説することがない」と言いつつ結構な量になってしまいました。ここまでたどり着いたあなた、よく頑張りましたね(笑)

ここに解説した以外に疑問点がありましたら、このサイトのコメント欄かFBのドイツ語グループの方で気軽にご連絡ください。




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首相公式サイトのスピーチ原稿がいつまで掲載されているのか分からないので、以下に原文を転載しておきます。


Presse- und Informationsamt der Bundesregierung

Mittwoch, 18. März 2020

Laufende Nr.:100

Ausgabejahr:2020

Fernsehansprache von Bundeskanzlerin Angela Merkel

- es gilt das gesprochene Wort -

Liebe Mitbürgerinnen, liebe Mitbürger,

das Coronavirus verändert zurzeit das Leben in unserem Land dramatisch. Unsere Vorstellung von Normalität, von öffentlichem Leben, von sozialem Miteinander - all das wird auf die Probe gestellt wie nie zuvor.

Millionen von Ihnen können nicht zur Arbeit, Ihre Kinder können nicht zur Schule oder in die Kita, Theater und Kinos und Geschäfte sind geschlossen, und, was vielleicht das Schwerste ist: uns allen fehlen die Begegnungen, die sonst selbstverständlich sind. Natürlich ist jeder von uns in solch einer Situation voller Fragen und voller Sorgen, wie es weitergeht.

Ich wende mich heute auf diesem ungewöhnlichen Weg an Sie, weil ich Ihnen sagen will, was mich als Bundeskanzlerin und alle meine Kollegen in der Bundesregierung in dieser Situation leitet. Das gehört zu einer offenen Demokratie: dass wir die politischen Entscheidungen auch transparent machen und erläutern. Dass wir unser Handeln möglichst gut begründen und kommunizieren, damit es nachvollziehbar wird.

Ich glaube fest daran, dass wir diese Aufgabe bestehen, wenn wirklich alle Bürgerinnen und Bürger sie als IHRE Aufgabe begreifen.

Deswegen lassen Sie mich sagen: Es ist ernst. Nehmen Sie es auch ernst. Seit der Deutschen Einheit, nein, seit dem Zweiten Weltkrieg gab es keine Herausforderung an unser Land mehr, bei der es so sehr auf unser gemeinsames solidarisches Handeln ankommt.

Ich möchte Ihnen erklären, wo wir aktuell stehen in der Epidemie, was die Bundesregierung und die staatlichen Ebenen tun, um alle in unserer Gemeinschaft zu schützen und den ökonomischen, sozialen, kulturellen Schaden zu begrenzen. Aber ich möchte Ihnen auch vermitteln, warum es Sie dafür braucht, und was jeder und jede Einzelne dazu beitragen kann.

Zur Epidemie - und alles was ich Ihnen dazu sage, kommt aus den ständigen Beratungen der Bundesregierung mit den Experten des Robert-Koch-Instituts und anderen Wissenschaftlern und Virologen: Es wird weltweit unter Hochdruck geforscht, aber noch gibt es weder eine Therapie gegen das Coronavirus noch einen Impfstoff.

Solange das so ist, gibt es nur eines, und das ist die Richtschnur all unseres Handelns: die Ausbreitung des Virus zu verlangsamen, sie über die Monate zu strecken und so Zeit zu gewinnen. Zeit, damit die Forschung ein Medikament und einen Impfstoff entwickeln kann. Aber vor allem auch Zeit, damit diejenigen, die erkranken, bestmöglich versorgt werden können.

Deutschland hat ein exzellentes Gesundheitssystem, vielleicht eines der besten der Welt. Das kann uns Zuversicht geben. Aber auch unsere Krankenhäuser wären völlig überfordert, wenn in kürzester Zeit zu viele Patienten eingeliefert würden, die einen schweren Verlauf der Coronainfektion erleiden.

Das sind nicht einfach abstrakte Zahlen in einer Statistik, sondern das ist ein Vater oder Großvater, eine Mutter oder Großmutter, eine Partnerin oder Partner, es sind Menschen. Und wir sind eine Gemeinschaft, in der jedes Leben und jeder Mensch zählt.

Ich möchte mich bei dieser Gelegenheit zu allererst an alle wenden, die als Ärzte oder Ärztinnen, im Pflegedienst oder in einer sonstigen Funktion in unseren Krankenhäusern und überhaupt im Gesundheitswesen arbeiten. Sie stehen für uns in diesem Kampf in der vordersten Linie. Sie sehen als erste die Kranken und wie schwer manche Verläufe der Infektion sind. Und jeden Tag gehen Sie aufs Neue an Ihre Arbeit und sind für die Menschen da. Was Sie leisten, ist gewaltig, und ich danke Ihnen von ganzem Herzen dafür.

Also: Es geht darum, das Virus auf seinem Weg durch Deutschland zu verlangsamen. Und dabei müssen wir, das ist existentiell, auf eines setzen: das öffentliche Leben soweit es geht herunterzufahren. Natürlich mit Vernunft und Augenmaß, denn der Staat wird weiter funktionieren, die Versorgung wird selbstverständlich weiter gesichert sein und wir wollen so viel wirtschaftliche Tätigkeit wie möglich bewahren.

Aber alles, was Menschen gefährden könnte, alles, was dem Einzelnen, aber auch der Gemeinschaft schaden könnte, das müssen wir jetzt reduzieren.

Wir müssen das Risiko, dass der eine den anderen ansteckt, so begrenzen, wie wir nur können.

Ich weiß, wie dramatisch schon jetzt die Einschränkungen sind: keine Veranstaltungen mehr, keine Messen, keine Konzerte und vorerst auch keine Schule mehr, keine Universität, kein Kindergarten, kein Spiel auf einem Spielplatz. Ich weiß, wie hart die Schließungen, auf die sich Bund und Länder geeinigt haben, in unser Leben und auch unser demokratisches Selbstverständnis eingreifen. Es sind Einschränkungen, wie es sie in der Bundesrepublik noch nie gab.

Lassen Sie mich versichern: Für jemandem wie mich, für die Reise- und Bewegungsfreiheit ein schwer erkämpftes Recht waren, sind solche Einschränkungen nur in der absoluten Notwendigkeit zu rechtfertigen. Sie sollten in einer Demokratie nie leichtfertig und nur temporär beschlossen werden - aber sie sind im Moment unverzichtbar, um Leben zu retten.

Deswegen sind seit Anfang der Woche die verschärften Grenzkontrollen und Einreisebeschränkungen zu einigen unserer wichtigsten Nachbarländer in Kraft.

Für die Wirtschaft, die großen Unternehmen genau wie die kleinen Betriebe, für Geschäfte, Restaurants, Freiberufler ist es jetzt schon sehr schwer. Die nächsten Wochen werden noch schwerer. Ich versichere Ihnen: Die Bundesregierung tut alles, was sie kann, um die wirtschaftlichen Auswirkungen abzufedern - und vor allem um Arbeitsplätze zu bewahren.

Wir können und werden alles einsetzen, was es braucht, um unseren Unternehmern und Arbeitnehmern durch diese schwere Prüfung zu helfen.

Und alle können sich darauf verlassen, dass die Lebensmittelversorgung jederzeit gesichert ist, und wenn Regale einen Tag mal leergeräumt sind, so werden sie nachgefüllt. Jedem, der in den Supermärkten unterwegs ist, möchte ich sagen: Vorratshaltung ist sinnvoll, war es im Übrigen immer schon. Aber mit Maß; Hamstern, als werde es nie wieder etwas geben, ist sinnlos und letztlich vollkommen unsolidarisch.

Und lassen Sie mich auch hier Dank aussprechen an Menschen, denen zu selten gedankt wird. Wer in diesen Tagen an einer Supermarktkasse sitzt oder Regale befüllt, der macht einen der schwersten Jobs, die es zurzeit gibt. Danke, dass Sie da sind für ihre Mitbürger und buchstäblich den Laden am Laufen halten.

Jetzt zu dem, was mir heute das Dringendste ist: Alle staatlichen Maßnahmen gingen ins Leere, wenn wir nicht das wirksamste Mittel gegen die zu schnelle Ausbreitung des Virus einsetzen würden: Und das sind wir selbst. So wie unterschiedslos jeder von uns von dem Virus betroffen sein kann, so muss jetzt auch jede und jeder helfen. Zu allererst, indem wir ernst nehmen, worum es heute geht. Nicht in Panik verfallen, aber auch nicht einen Moment denken, auf ihn oder sie komme es doch nicht wirklich an. Niemand ist verzichtbar. Alle zählen, es braucht unser aller Anstrengung.

Das ist, was eine Epidemie uns zeigt: wie verwundbar wir alle sind, wie abhängig von dem rücksichtsvollen Verhalten anderer, aber damit eben auch: wie wir durch gemeinsames Handeln uns schützen und gegenseitig stärken können.

Es kommt auf jeden an. Wir sind nicht verdammt, die Ausbreitung des Virus passiv hinzunehmen. Wir haben ein Mittel dagegen: wir müssen aus Rücksicht voneinander Abstand halten. Der Rat der Virologen ist ja eindeutig: Kein Handschlag mehr, gründlich und oft die Hände waschen, mindestens eineinhalb Meter Abstand zum Nächsten und am besten kaum noch Kontakte zu den ganz Alten, weil sie eben besonders gefährdet sind.

Ich weiß, wie schwer das ist, was da von uns verlangt wird. Wir möchten, gerade in Zeiten der Not, einander nah sein. Wir kennen Zuwendung als körperliche Nähe oder Berührung. Doch im Augenblick ist leider das Gegenteil richtig. Und das müssen wirklich alle begreifen: Im Moment ist nur Abstand Ausdruck von Fürsorge.

Der gutgemeinte Besuch, die Reise, die nicht hätte sein müssen, das alles kann Ansteckung bedeuten und sollte jetzt wirklich nicht mehr stattfinden. Es hat seinen Grund, warum die Experten sagen: Großeltern und Enkel sollten jetzt nicht zusammenkommen.

Wer unnötige Begegnungen vermeidet, hilft allen, die sich in den Krankenhäusern um täglich mehr Fälle kümmern müssen. So retten wir Leben. Das wird für viele schwer, und auch darauf wird es ankommen: niemanden allein zu lassen, sich um die zu kümmern, die Zuspruch und Zuversicht brauchen. Wir werden als Familien und als Gesellschaft andere Formen finden, einander beizustehen.

Schon jetzt gibt es viele kreative Formen, die dem Virus und seinen sozialen Folgen trotzen. Schon jetzt gibt es Enkel, die ihren Großeltern einen Podcast aufnehmen, damit sie nicht einsam sind.

Wir allen müssen Wege finden, um Zuneigung und Freundschaft zu zeigen: Skypen, Telefonate, Mails und vielleicht mal wieder Briefe schreiben. Die Post wird ja ausgeliefert. Man hört jetzt von wunderbaren Beispielen von Nachbarschaftshilfe für die Älteren, die nicht selbst zum Einkaufen gehen können. Ich bin sicher, da geht noch viel mehr und wir werden als Gemeinschaft zeigen, dass wir einander nicht allein lassen.

Ich appelliere an Sie: Halten Sie sich an die Regeln, die nun für die nächste Zeit gelten. Wir werden als Regierung stets neu prüfen, was sich wieder korrigieren lässt, aber auch: was womöglich noch nötig ist.

Dies ist eine dynamische Situation, und wir werden in ihr lernfähig bleiben, um jederzeit umdenken und mit anderen Instrumenten reagieren zu können. Auch das werden wir dann erklären.

Deswegen bitte ich Sie: Glauben Sie keinen Gerüchten, sondern nur den offiziellen Mitteilungen, die wir immer auch in viele Sprachen übersetzen lassen.

Wir sind eine Demokratie. Wir leben nicht von Zwang, sondern von geteiltem Wissen und Mitwirkung. Dies ist eine historische Aufgabe und sie ist nur gemeinsam zu bewältigen.

Dass wir diese Krise überwinden werden, dessen bin ich vollkommen sicher. Aber wie hoch werden die Opfer sein? Wie viele geliebte Menschen werden wir verlieren? Wir haben es zu einem großen Teil selbst in der Hand. Wir können jetzt, entschlossen, alle miteinander reagieren. Wir können die aktuellen Einschränkungen annehmen und einander beistehen.

Diese Situation ist ernst und sie ist offen.

Das heißt: Es wird nicht nur, aber auch, davon abhängen, wie diszipliniert jeder und jede die Regeln befolgt und umsetzt.

Wir müssen, auch wenn wir so etwas noch nie erlebt haben, zeigen, dass wir herzlich und vernünftig handeln und so Leben retten. Es kommt ohne Ausnahme auf jeden Einzelnen und damit auf uns alle an.

Passen Sie gut auf sich und auf Ihre Liebsten auf. Ich danke Ihnen.



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