話法の助動詞の主観的な意味 Subjektive Bedeutung der Modalverben

最終更新: 1月13日

ドイツ語の「Modalverben 話法の助動詞」と呼ばれるものは全部で6つあります。

dürfen(許可)、können(可能性、能力)、mögen(希望、選好)、müssen(必要・必須)、sollen(義務、道義的または第三者の要求)、wollen(意志、希望)の6つです。その本来の意味はカッコ内に示しましたが、これらとは別に主観的な意味、すなわち話者の推測や話す内容に対する心理的距離感や引用などを示す主観用法があります。


推測の表現

Deutschplusというサイトに推測的な意味を持つ話法の助動詞の表す内容の蓋然性がパーセンテージで表されていて面白いと思いましたので、こちらにご紹介します。


ただし、können に nur が伴う場合は müssen と同様蓋然性が高くなります。

例:Das kann nur eine Verwechslung sein. = Das muss eine Verwechslung sein. それは何かの間違いに違いない。

否定形は限られた場合のみ可能です。



第三者の言説の再現

話法の助動詞 sollen と wollen は第三者の言説を表し、話者の主観としてはその言説に距離感を抱いていることを表現します。

sollen は 「~と聞いたが、本当かどうかは知らない」ことを意味し、wollen は元の発言者を主語として「~は~と言っているが、本当かどうかは知らない」ことを意味します。

例:

Lisa soll schwanger sein. = Eine dritte Person / man behauptet, dass Lisa schwanger ist. リザは妊娠しているそうだ。(「~という話・噂だ」「~ということらしい」などと訳すこともできます)

Anton will der schnellste Läufer sein. = Anton behauptet, dass er der schnellste Läufer ist. アントンは自分が一番早いランナーだと主張している。


過去形

過去の事象に対する推測や伝聞は話法の助動詞の現在形プラス過去分詞+haben / seinで表現します。

Paul muss/müsste/dürfte/kann/könnte um diese Zeit zu Hause gewesen sein. パウルはこの時間帯家にいたに違いない/はずだが/だろう/こともある/かもしれない。

Lisa soll zu dem Zeitpunkt schon schwanger gewesen sein. リザはその時点ですでに妊娠していたらしい。

Er soll schon einmal im Gefängnis gesessen haben. 彼は拘留されたことがあるそうだ。

Anton will der schnellste Läufer in der Schule gewesen sein. アントンは学校で一番早いランナーだったと言っている。

Der Vorstandsvorsitzende will von den Abgasmanipulationen nichts gewusst haben. 代表取締役は排ガス操作に関しては何も知らなかったと主張している。


mögen の主観的用法

mögen は主観的用法ではある種の認容 Einräumung を表し、 「~ではあろうが」「~だということは認めるが」「~であろうとも」のように日本語訳できます。

Sie mögen recht haben, doch ändern wird das nichts an der Sache. = Auch wenn Sie recht haben, wird das nichts an der Sache ändern. あなたの言っていることは正論だが、それで事実の何かが変わるわけではない。 Er mag noch so freundlich tun, ich werde nicht auf ihn hereinfallen. = Auch wenn er noch so freundlich tut, werde ich nicht auf ihn hereinfallen. 彼がどんなに親切にふるまっても、私は彼には騙されないぞ。 So aussichtslos es auch erscheinen mag, wir werden es schaffen. = Obwohl es aussichtslos erscheint, werden wir es schaffen. どんなに絶望的に見えたとしても、私たちはそれ成し遂げられる。

Sie mag wohl die Fünfzig überschritten haben, sie ist dennoch sehr attraktiv. = Obwohl sie wohl die Fünfzig überschritten hat, ist sie dennoch sehr attraktiv.

彼女はおそらく50を超えているだろうが、それでも非常に魅力的だ。


上の例のように mögen は Konzessivsatz 認容文で使用され、その内容に反する内容が続くことが多いですが、Sie mögen recht haben. というように後続文がないこともあります。「それは正論だろうけど」と言って黙ってしまう感じですね。

もう一つ mögen には主観的用法とは違いますが、伝言の中での誰かの要求を丁寧に表すのに使います。第一式接続法 Konjunktiv I です。

Sagen Sie ihm bitte, er möge mich bitte zurückrufen. 私に電話をくださるように彼に伝えてください。

Er hat mir gesagt, ich möge draußen auf ihn warten. 彼は私に外で彼を待つように言った。

Paul hat Sonja gebeten, sie möge ihn so schnell wie möglich zurückrufen. パウルはゾンヤに、なるべく早く電話をくれるように頼んだ。


いわゆる「間接話法 Indirekte Rede」というものですが、要求だからとうっかり sollen を使うとやや礼を欠くことになる場合もあるので気をつけましょう。

sollen は本当に緊急の差し迫った要求・命令の時に使います。

Er hat mir gesagt, ich solle ihn sofort benachrichtigen. 彼は私にすぐに彼に報告するように言った。

主語が複数の場合は第二式接続法 Konjunktiv II möchten を使うこともあります。

Sie hat gesagt, dass die Mitglieder morgen wiederkommen möchten/mögen. 彼女はメンバーに明日また来るように言った。


sollen の第二式接続法 Konjunktiv II の用法

sollen は第二式接続法 Konjunktiv II sollten の形で Konzessivsatz 認容文や Konditionalsatz 条件文に使われ、「~ということがあれば」を意味します。

Wenn du ihn sehen solltest, grüße ihn von mir. または Solltest du ihn sehen, grüße ihn von mir. 彼に会うことがあったら、よろしく言ってね。

Selbst wenn ich alles verlieren sollte, werde ich hingehen. たとえすべてを失うことになろうとも、私は行くよ。

この場合、sollten で示されている事象の蓋然性は話者の主観では比較的低いことを意味しています。「ないとは思うが、万が一~ということがあれば」という主観が暗示されています。

「~すべき」という客観的意味からも、伝聞の「~だそうだ」という意味からもちょっと想像できない用法なので、「sollen の第二式接続法の用法」というよりも、「sollten の用法」というように別物として捉えて覚えた方が効率的かもしれませんね。


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